今回は単独WAKEで高野山へ |
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「高野山は、いうまでもなく平安初期に空海がひらいた。 山上は、ふしぎなほどに平坦である。 そこに一個の都市でも展開しているかのように、堂塔、伽藍、子院などが棟をそびえさせ、ひさしを深くし、練塀をつらねている。 枝道に入ると、中世、別所とよばれていて、非僧非俗のひとたちが集団で住んでいた幽邃な場所があり、寺よりもはるかに俗臭が少ない。 さらには、林間に苔むした中世以来の墓地があり、もっとも奥まった場所である奥ノ院に、僧空海がいまも生けるひととして、四時、勤仕されている。 その大道の出発点には、唐代の都城の門もこうであったかと思えるような大門がそびえているのである。 大門のむこうは、天である。山なみがひくくたたなづき、四季四時の虚空がひどく大きい。 大門からそのような虚空を眺めているとこの宗教都市がじつは現実のものではなく、空にかけた幻影ではないかとさえ思えてくる。 まことに、高野山は日本国のさまざまな都鄙のなかで、唯一ともいえる異域ではないか。 司馬遼太郎 」 |
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高野山、標高はおよそ1000m 。さすがに涼しかったね。 |